会社とは、詰まるところ "働く人の集まり" でしかありません。「うちの会社は・・・」という表現が使われますが、会社というものが目に見えて存在しているものではありません。「うちの会社」の正体は、実は自分が会社で関わる上司や同僚との "人間関係" だったり、会社で定められた ”ルール” のことを会社と表現しているように思います。
そんな人の集まりである会社の中で出世するには、人間関係を無視する訳にはいかないものです。私は、20年近く会社員していますが、ある時期まではスキルをつけて仕事で結果を出すことが出世に繋がる手段だと思い込み、人間関係を軽視しがちであったことを反省しています。これは、日々技術と向き合うエンジニアが陥りやすい傾向にあります。
会社で出世するために、意識すべき人との繋がりと、その重み付けを整理すると、次の通りです。
- 上司との繋がり(60%)
- 部下との繋がり(30%)
- 同僚との繋がり(10%)
1.上司との繋がり(60%)
社内で昇進を決めるのは ”評価” です。そして、評価するは"自分の上司" です。まずは、この当たり前のルールをシンプルに理解しましょう。
「出世するだけが全てじゃない」
「上司に気を使いながら働くのは嫌だ」
「そもそも、私はマイペースで仕事したいので、出世は望まない」
このような考え方も否定しませんが、あくまでも "目的は社内での出世する" こと 。その目的に向けて、余計な思いや考え方を混ぜてしまうからややこしくなってしまうのです。シンプルに、出世するためには、”自分の上司から評価を得ること” だと強く認識しましょう。
では上司から評価を得るためは、まずやるべきことは何でしょうか?
- 上司の価値観を把握する
- 上司が評価したい人物像を知る
あなたの上司は、今の人生のフェーズにおいて、仕事をどのような位置づけているのか?例えば、上司が20代でマネージャーになりたての場合、マネージャーとして部下をマネジメントできることを早く認めてもらいたいという想いを持ち、今はプライベートより仕事を重視したいと考えているかもしれません。一方で上司が、定年近い50代後半である場合、残りの会社員人生は波風立てず平穏に過ごしたいと考えており、人生における仕事の優先順位は低くなっているかもしれません。
あなたには、あなたの仕事に対する価値観や、人生における仕事の優先順位があるでしょう。しかし、出世するには上司が持ち現在の価値観を無視していては、いくら仕事の成果を出していても評価されないのが現実です。仕事の成果以前に、まずは上司があなたを "評価したい人物像" を知り、上司と対峙する必要があるのです。
2.部下との繋がり(30%)
あなたがリーダーやマネージャーの場合、部下とはどのような関係を築けば良いのでしょうか。基本的に、部下はリーダーやマネージャーである自分の成果を出すために利用する ”機能” だと考えることです。人を機能だなんて、なんて冷たい考え方と思われたかもしれません。しかし、一般的に会社の評価制度は、部下からの評価では昇進はできません。"あなたは上司の仕事に貢献し、部下はあなたの仕事に貢献すること" で、組織として大きな成果を作るのが会社というものです。まずは、そこを十分に理解しましょう。
しかし、自分の成果のためなら、部下を奴隷のように使うべきだと良いと言っているわけではありません。
あなたが上司に評価されるために必要な仕事に貢献して貰うためには、自分の部下には最大限のパフォーマンスを発揮してもらう必要があるのです。
まず、部下には期待している成果を明確かつ具体的に伝えましょう。そして「部会に良い上司と思われたい」「部下に嫌われたくない」という思いを捨てて、シンプルに結果で部下を評価するようにするのです。結果が出ない部下には、その原因となっているボトルネックをロジカルに探り、求める結果に至る少し手前の行動に目標を設定しなおしましょう。このように部下の働きが、あなたの成果に少しでも繋がっている仕組みを作るのです。
3.同僚との繋がり(10%)
あなたと同じランクにいる同僚は、情報収集を目的に繋がりましょう。
同じランクの同僚は、あたなの評価するときの比較対象になります。あなたの同僚はどのようなスキルを持っていて、どのような成果を出しているのか?
また、その成果を出すためにはどのような働き方をしているのか?社内で出世するためには、あなたの比較対象である同僚のスペックや動きや常に把握しておく必要があるでしょう。
とはいえ、同僚を知ることに熱心になりすぎることには気をつけましょう。あくまでもあなたが上司から評価されるための情報を収集するための繋がりです。同僚との関係にかける労力は全体の10%程度で良いでしょう。
まとめ
会社で出世するための人間関係の築き方、そのときに意識すべきことを整理しました。
ポイントは、仕事で成果を出すこと以前に、まずはしっかりと ”自分の上司を分析すること” です。そして、自分が考える成果を出すのではなく、上司が求める成果を出すことです。
私のように、この当たり前のことの重要さに気づくまでに長い時間を費やさないよう、今すぐ意識を変えて仕事に向き合っていただければと思います。